101枚の記憶 #97 |
雪が積もった朝、早起きして出勤前に多摩川線に立ち寄りました。 |
新小金井で降りて、いちご橋へ。 ちょうど朝日が顔を出し、二枚橋を渡るキューイチを照らします。 野川の辺りにはうっすらと靄がかかっているようです。 |
野川のほとりに移動してきました。 眩いばかりの陽ざしを浴びて、雪に覆われた川岸から一斉に霧が立ちのぼります。 |
あっという間に辺りを霧が覆い尽くしてしまいました。ホワイトアウトです。 キューイチが近づいてくる音がします。 慌ててシャッター速度を上げ、露出を絞ります。なんとかキューイチが写りますように。 |
この世のものとは思えない幻想的な瞬間に、ただ夢中でシャッターを押していました。 |
上流の橋に移動して、二枚橋を渡るキューイチを撮影します。 この橋で、同じようにキューイチを撮っていたカメラマンとお会いしました。 「すごいですね・・・」 「ええ、すごいですね・・・」 交わした言葉はこれだけで、お互い夢中で撮影を続けました。 |
夢のような時はいつまでも続きません。 出勤の時間が迫り、私は霧の野川を後にしました。 |