101枚の記憶 #97   


霧の中の電車 (2010年2月2日)


雪が積もった朝、早起きして出勤前に多摩川線に立ち寄りました。



新小金井で降りて、いちご橋へ。
ちょうど朝日が顔を出し、二枚橋を渡るキューイチを照らします。
野川の辺りにはうっすらと靄がかかっているようです。



野川のほとりに移動してきました。
眩いばかりの陽ざしを浴びて、雪に覆われた川岸から一斉に霧が立ちのぼります。



あっという間に辺りを霧が覆い尽くしてしまいました。ホワイトアウトです。
キューイチが近づいてくる音がします。
慌ててシャッター速度を上げ、露出を絞ります。なんとかキューイチが写りますように。



この世のものとは思えない幻想的な瞬間に、ただ夢中でシャッターを押していました。



上流の橋に移動して、二枚橋を渡るキューイチを撮影します。
この橋で、同じようにキューイチを撮っていたカメラマンとお会いしました。
「すごいですね・・・」 「ええ、すごいですね・・・」
交わした言葉はこれだけで、お互い夢中で撮影を続けました。



夢のような時はいつまでも続きません。
出勤の時間が迫り、私は霧の野川を後にしました。



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