末 期 の 王 滝 線

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はじめて森林鉄道に行ったのは、中2の冬休み(昭和49年12月25日)。クラスメート3人で夜行列車に乗って朝4時頃小雨模様の上松に着きました。駅舎で仮眠を取った後、営林署でみやま号に乗せてほしいと頼んだのですが、地元の人や関係者以外の搭乗は中止になったとのことで、乗せてもらうことができませんでした。仕方がないので、3人で上松構内を見てまわったのですが、1人が寒さでダウンしてしまい、そのまま駅舎のストーブにあたって時間をつぶすはめに。さらには、帰りの夜行列車を待って中津川駅にいたところ、家出少年と間違われて警察に通報され、パトカーで中津川署まで連行されました。しかし、おまわりさんはとても優しく、自宅で夜食をご馳走になり、中央西線を走るSLの写真をプレゼントしてくれました。


小雨模様の貯木場
(上松)
      

白く煙る霧の中に止まっていた
赤いB型客車(上松)


そして春休み(昭和50年3月)。今度は天気もよく、上松停車場に到着した「みやま号」やボールドウィン(SL)を見ることができました。木曽福島からバスに乗って王滝へ。まだ雪が残る田島停車場には、「新日本紀行」で放送された「やまばと号」が止まっており、滝越方面に向かう空の運材列車が通過していきました。


かって森林鉄道で活躍した
ボールドウィン製SL(上松)



貯木場に佇む運材台車
木材の輸送は3月で終了した(上松)


上松停車場に到着した
みやま号(上松)


機関車を付け替えて
みやま号は出発を待つ(上松)


車長の短いC型客車(上松)



さらに短い制動車(鬼渕)



木曽川の対岸を
国鉄の特急が走る(鬼渕)




通学列車やまばと号(田島)



雪の中並んで眠っている
B型客車(田島)


B型客車の後ろに隠れて眠る
DL(田島)


停車場のはずれにぽつんと
止まっていたB型客車(田島)



翌年うぐい川線で活躍した131号機も
停車場の建物の裏で「冬眠」(田島)



空の運材台車を引いて王滝線を
登ってゆく酒井製DL(田島)



森林鉄道の本線(王滝森林鉄道)は3月末で廃止、5月30日にボールドウィンの牽引する「さよなら列車」が走りました。


夏休み(昭和50年8月)は、テントを持っておやじと王滝線跡をハイキング。まだ軌道、車両や各施設なども残っていて、今にも列車が走ってきそうな感じ。大島停車場にテントを張って1泊。


車庫に止まっていた
モーターカー(上松)


廃線跡を歩く−棧停車場



廃線跡を歩く−沼停車場



廃線跡を歩く−大島停車場
左が本線、右が開田線跡


廃線跡を歩く−二子持停車場



「さようなら王滝森林鉄道
記念植樹」の標(田島)


翌日は、田島停車場で、大鹿方面に向かって走ってゆくモーターカーを発見。
「森林鉄道はまだ動いている!」
王滝線が廃止された後も、奥のうぐい川線では木材の輸送が行われ、王滝線でも田島以遠ではモーターカー等が不定期に走行していたのです。



突然目の前をモーターカーが
疾走していった(田島)



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