初めての搭乗

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昭和51年8月17日から18日にかけてうぐい川線を訪問しました。ところが、8月中の木材の運搬は「夏休み」とのこと。私は、大鹿や氷ヶ瀬近辺を散策し、時折走行してくる列車などを撮影しました。


氷ヶ瀬貯木場の入口付近に止まっていた
モーターカー

B型客車を引いたDLがゆっくりと走ってくる(大鹿-小俣)



鬱蒼とした樹木の中をゆく(大鹿-小俣)


8月25日から27日にかけて、夏休み最後のうぐい川線の訪問。木材の運搬がないことはわかっていましたが、もう一度助六を訪問してみようと思い、うぐい川線の軌道を登っていきました。


仲良く並んでいた131号機と132号機
(大鹿)

小俣隧道を出てきたモーターカー
危うくトンネル内で遭遇するところだった

モーターカーが行ったり来たり(黒渕-真弓)

真弓停車場を過ぎ、うぐい川本谷を渡って歩いていたときのことです。ワゴン車型のモーターカーが追い越していったかと思ったら、坊主岩の方から戻ってきて、私の前で止まりました。運転していたおじさんがモーターカーから顔を出して、「どこまで行くんだ?」と聞いてきたので、「助六まで」と答えたところ、「助六に行っても誰もいないぞ。大鹿に戻るから乗ってくか?」。私は、思わず遠慮して、「ありがとうございます。でもいいです。」と答えて、そのまま歩き始めたのですが、やっぱり乗ってみたい!全力疾走で引き返して、まだ止まっていたモーターカーのおじさんに「やっぱり乗せてください。」と頼んだところ、笑いながら後部座席に乗せてくれました。

中はワゴン車そのもの。ワゴン車のタイヤを車輪に換えただけじゃないか?モーターカーは、私が一歩一歩登ってきた軌道を軽快に下っていきます。10分ほどで大鹿渕付近まで戻ってきたのですが、途中で激しい雨が降り出し、大鹿のトンネルに入る手前で酒井製DLが止まっていたため、モーターカーもその手前で停止しました。運転していたおじさんは黙々と小刀で木を削って割り箸を作っていましたが、DLがいつまでたっても動く気配がなかったため、私は、おじさんにお礼を言って、モーターカーを降り、歩いて大鹿渕に戻りました。


乗せてもらったモーターカーの中から撮影
おじさんは私を残し止まっていたDLの所へ
 

私が大鹿渕に着いたとき
さっきのDLが戻ってきた
 


初めて森林鉄道を訪問したときには一般客の便乗がすでに中止されており、森林鉄道の車両に乗れるなんて夢にも思っていなかったので、この日の出来事は一生の思い出となりました。モーターカーのおじさん、ありがとう。



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