助六へ(その1)
うぐい川線は、大鹿から分岐し、昼なお暗い八丁闇(はっちょうくらがり)という断崖絶壁を越えて、終点の助六に至る12キロあまりの支線です。志半ばで帰路に着かざるをえなかった反省から、中3の冬休み(昭和50年12月)私は1人で森林鉄道を訪問し、うぐい川線の終点助六を目指すことにしました。
木材ではなく撤去されたレールが 乗せられた運材台車(上松) |
貯木場に続く線路には 樽木で通せんぼ(上松) |
ボールドウィンは廃止前と変わらず 車庫の中に(上松) |
田島から軌道上を歩き、一路大鹿へ。
停車場で冬眠中の132号機 (田島) |
停車場の裏にちょっと寄り道 (田島) |
プラレールみたいな急カーブ (田島) |
雪に埋もれた 松原停車場 |
雪に埋もれた 崩澤停車場 |
崩澤支線の廃線跡にも ちょっと寄り道(崩澤) |
大鹿操車場は雪に埋もれて静まりかえっていました。大鹿渕橋梁を渡って氷ヶ瀬貯木場へ。131号機がぽつんと佇んでいました。雪をかぶっておらず、どうやら活動しているようです。
再び大鹿渕橋梁を渡ってうぐい川線に入り、助六を目指して歩き始めました。
小俣停車場を過ぎ、黒渕停車場も通過。しかし、人っ子ひとり出会わず、積雪もだんだん深くなってきます。もし熊が出てきたらどうしよう・・・、急に吹雪になって遭難したら・・・。だんだん心細くなり助六行きを断念、すごすごと引き返したのでした。
小俣停車場 けっこう雪が積もってます |
黒渕停車場から分岐して うぐい川を渡る小俣線(廃線) |
黒渕停車場 左がうぐい川線です |
小俣線の鉄橋です 思わず渡りたくなります(黒渕) |
おそるおそる渡ってみたら・・・ (小俣線廃線跡) |
これでは先に進めません (小俣線廃線跡) |
4月になれば森林鉄道がまた動くにちがいない。中3が終わった春休み(昭和51年3月〜4月)、再び助六を目指して大鹿を訪れました。
3月31日の夕方大鹿操車場に着き、停車していた客車に乗り込んで1泊。しかし、翌日(4月1日)になっても、営林署の職員の姿はなく、森林鉄道はまったく動く気配なし。軌道を辿っていっても誰もいないんじゃ・・・、そういえば春の熊は危ないんだっけ・・・。だんだん気力が萎え助六行きを断念、再び、すごすごと撤退したのでした。
うぐい川線の最後の年となった昭和51年4月1日の大鹿操車場の朝